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純情ババァ劇 [堂本剛]

プラトニック第2回
「母親という檻(おり)」

マーサ叔母さん登場

加賀まりこさん、大好きな女優さんです。詩人安井かずみさんの親友でもありました。
本名「加賀雅子」さんです。
「雅子」役名が一緒で、う〜〜ん野島さんからのプレゼントネーミング?
17歳で寺山修司、篠田正浩監督に路上スカウトされた、ここから伝説がすでに始まってる。mk.jpg

映画「月曜日のユカ」より

20歳でリセットを目的に芸能界休業「稼いだお金でパリ豪遊」
PARISなんだよね。流れが変わるのは・・・。

復帰第一番目のお仕事が劇団四季の「オンディ−ヌ」(浅利慶太)
小悪魔から妖精へ、思ったコトは曲げず言う女優さんでした。
ちなみに赤坂TBSテレビ前の喫茶店「アマンド」でサインをお願いしてバッサリ断られた。
「お店の中なんで・・・」
「オンディ−ヌ大好きです」(舞台中継で見ただけ)
「・・・」
透明感の三田和代さんのオンディーヌは見たが、人間離れした加賀さんのは「生舞台」は見逃していたので再演をお願いしたつもりでした。

若井俊二監督の映画「Love Letter」(1995年)が蘇る。
加賀さんは中山さん演じるヒロインの婚約者藤井樹青年の母親藤井安代役で樹が山で遭難し、3回忌のシーンで登場する。
つまり婚約者の死がなければ嫁姑「母と子」の相手になる関係だった。
映画でも「新しい人を見つけて幸せになってね」と励ましていた。
なんだか中山美穂さんという女優のブレーンというか心棒者が用意する環境や配役まで似ている。
一瞬「LoveLetter」を思い出すが、元祖小悪魔アイドル、水の妖精の両A面を持つ「加賀まりこ」さんです。
映画界芸能一家出身でお嬢様扱い、レジェンドも多く台詞の説得力が違う。

マーサ叔母さん「お若い頃はさぞや、騒がれたのでしょうね」が年老いても富裕層のケア付高齢者住宅でも人気者のようです。
レクエーションでケアセンターの付き添いさんの台詞に「再開発の女王」が聞こえたとき頭に浮かんだのは「東京郊外副都心線連結で大改革された住宅群の風景でした。
「酒屋の糠味噌くさいおかみさん」な設定は信じられないが「ダブル不倫」「相手の妻の自殺」「愛する人の逃亡」「消息不明」「パートナーの死」と愛することで地獄を見た人生経験は何ごとにも決断に迷いもたじろぎもない即答即実行なバァさまです。

沙良さんの元ダンが吐き捨てるように呼ぶ「ニガテなババァ」には財力と子供無しの叔母さんの行動力と発言力があるからなんだと思う。

つまり・・・血がつながっていている、マーサ叔母さんの生き方を傍で見ていたとしたら・・・沙良さんは少なからず「闇」を共有しているコトになる。
それがランドリールームの心のツブヤキに繋がる。
弟と二人だけの生活で和久君のシスターコンプレックスになり、弟の嫁にバトンは渡しが、今は自分と自分の娘の小さな世界に「安息」を感じると打ち明ける。

沙良の母親の闇は娘の沙良の闇を生み更に無垢な孫娘の闇を引き起こす。
謎の青年の「合理的」がどこまで通用するか・・・
母が子を想うのであれば何をしても許されるのか・・・
青年にもいる「母親」には何が残せるのか・・・

ドラマタイトルの「プラトニック」の語源は哲学者プラトンの思想です。
プラトンは初めは「ギリシャ悲劇作家」を目指したことからギリシャ悲劇には欠かせない「母親のカルマ(業)」が隠されていると見た。

囚われない「愛」です。

 

純情ババァになりました。 (講談社文庫)

純情ババァになりました。 (講談社文庫)

  • 作者: 加賀 まりこ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/08/12
  • メディア: 文庫

 

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