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奈良に旨いもの無し [shamanara]

shamanippon的ガイドmemo


関西の友だちとランチを決める時
バッサリ言い切られた言葉

「奈良に旨いもの無し!」

キッパリ、断定するのに驚いた
「大阪じゃぁみんな言うとる」

言葉の元はこの方でした。

志賀直哉

明治の白樺派の文豪が随筆に書いちゃったためなのだ。

彼の美意識で、粋で洒脱な和・洋・中折衷家屋を奈良、上高畑町で住居を構えた。
住居のお隣は春日大社の原生林、軽井沢町に似ていると思った。
春日大社林R0155791.jpg
外見は和の数寄屋つくりで京都から匠を呼び寄せ一流の職人と建材で建てられた。
内装は驚きの西洋かぶれ。
芝生の庭続きのテラスに板張りの洋風ダイニングルーム、キッチンには冷蔵庫
バスルームにはシャワー。


当時の文豪、画家の集う高畑サロンです。
作家仲間からは羨望の的だったのに違いない。

志賀直哉は元々生まれは江戸〜明治の財閥の次男坊で祖母の手元で育てられる。
放蕩三昧の資金源には事欠かないということは志賀自身の設計図にも現われている。

いくらかかってもいいから存分に腕を発揮して下さい。
のオーダーだろうね。
天窓R0155784.jpg

当時は国鉄奈良駅からも不便な山の麓です。
春日の森から鹿も遊びに来るような「森の家」
天窓R0155784.jpg天窓付テラスは石タイル
吹き抜けの先は天窓、背後は芝生のお庭、前方は純日本庭園、すべてが開け放されると凄い開放感。風も通り気持ち良いサロンです。


天窓R0155784.jpg


ダイニングリームR0155773.jpg
左テラス扉、右ダイニングに直結したキッチンからは小窓で仕切られすぐに料理がテーブルに並べられる。
「奈良に旨いものなし」は奈良が軽井沢、鎌倉のように流行作家が集まる陳腐な土地にしたくない陰謀のように思えた。
石タイルR0155783.jpg

ここには僕が見つけた場所誰も来るなよ・・・

このダイニングで旨い食べものが並ばないはずがない。
志賀直哉ほどの知識、見識眼があるならゼッタイ美味しい食材を手に入れていたはずです。

コーヒーテーブルR0155766.jpg


テラスは石畳、窓際のコーヒーテーブル&チュア
ここで不味いお茶を飲んでいたはずが無い。
そう思わせるような戦前の豪華ホテルの佇まい。

このロケーションで旨いものが無い、生活を10年は続かないでしょう?。











暗夜行路など執筆した10年間の住まい。
書斎R0155755.jpg
さすがの書斎は眺めもつくりも重厚かつ落ち着ける環境。
奈良を離れたのは「息子の教育」奈良で男子を育てるには「ゆるすぎる」と判断。
幼少から学習院一本、東京大学と御曹司の道を歩いて彼にはコドモの行く末を判断し鎌倉へ。
やっぱ「カマクラ」なんだね。



子供のことが無ければ今でも一番住みたいのは奈良、
奈良に小さな家を建てね・・・

生涯で28回の引っ越しをする人気作家が随筆に一行
「奈良には旨いものがない」と書いただけで本気にしちゃうのが日本人です。
それを反発もせず、旨いものがあることも知らせず今日に至る奈良です。
残り27回のそれぞれの転居先はどのようなことになっているのだろうか。
奈良に旨いものなしが定説となり食文化の交流とグルメの認識は止まった。
最近、ミッシュランの三ツ星レストラン、星付き店に一挙に奈良がなだれ込んで来た。
日本中が知らなかっただけでなのです。
それを普通に評価したのが「フランス人の舌」ってのが愉快です。
mc001.jpg

ミッシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良2012

今年初めて「奈良」が対象に加わわりました。
奈良の獲得☆数の内訳
☆☆☆・・・そのために旅行する価値がある卓越した料理
      1店
☆☆・・・・遠回りしてもでも訪れる価値がある素晴らしい料理
      3店
☆・・・・・そのカテゴリーで特に美味しい料理
      21店     
星の数が問題ではない。
意識を変えること、自慢しなくてもいいのです。
アピールしなくてもいいのです。
星が3つのお店で食べた経験があるのでしょうか?
自分にはアハ〜ンな絵に描いた餅でしかない。
美味しいと思うものは自分が決めることです。

奈良町、津田豆腐店の絹ごし豆腐は絶品です。
店先の立ち食いでも旨いものは美味しい。



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