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椿三十郎とヒバリ [奈良ごとLIVE]

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1965年作品:椿三十郎より

何べん見てもクロサワのこの映画は面白い。
新導入の東宝シネマスコープ(横長)画面が絵の面白さを倍増させてる。

藩の不正に立ち上がるヒヨッコ若侍が9人が横並びでゾロゾロ三十郎に付きまとう、正座し一斉にお辞儀をする,
尊敬と憧れの心情眼で見つめるシーンが横長だと強烈な印象になる。
正義感はあるが無知無力な若者を気に入り手助けするのには理由がある
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「聞き分け(素直)の良いコだ」
「危なかっしくて見てらんねぇ」
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見た目はうさん臭い素浪人でも世の中の不条理を許さない豪傑なのです。

「椿三十郎」の名シーン居合い抜きの決闘は世界中に真似される。
WOWOW解説によると台本には

「これからの2人の決闘は。とても筆では書けない。
長く恐ろしい間があって、勝負は刀がギラッいっぺん光っただけで決まる」
:wowowの放送より
とだけだったそうです。
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くり返し観ててあることに気が付いた。
このシーン藩の不穏上司一味を一掃したのち藩の仕官にありつけ浪人から碌持ちになるよう説得するため若い侍が追いかけるシーンから始まる。
冬草も枯れた荒野の街道で追いついて説得を始める。
このシーンのBGMはあのヒバリの鳴き声だった。
平城宮跡で出会ったあのさえずりと画面を横切る羽虫が画面に残されていた。
名画の中に閉じ込められた日本の原風景で、黒澤明監督が世界に残してくれた「日本」がありました。

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ヒバリが鳴くシーンは決闘の「長い間」では無音になる。
生命をかけた死の直前まで無音の不気味なシーンが30秒続き居合い抜き場面は零コンマで終わる。
血飛沫と切れる効果音居並ぶ9人のヒヨッコの驚愕の表情だけで台本には無い名シーンで表現されてた。
刀と刀がぶつかり合うチャンバラが無いのです。左の鞘から左手で抜きながら切る、心臓へ右手で押し刺す。
早すぎて見えない。
1回2回では聞き逃していた「ヒバリの鳴き声」に気がついたのはあの平城宮跡で聞いた鳴き声が心の中から引っぱりだしてくれた。
今も絶大な人気の黒澤作品、サムライ武士道が大好きな外国人が大勢いる。
思うに黒澤を愛する世界の映画ファンが黒澤の絵を求めてこの国に観光にくるのであれば残しておいてあげたい風景と音でした。

経済産業省さん、日本文化を世界に紹介し経済の活性の為に年間何億もの国費を投入するのであればアニメ文化だけでなく武士道、サムライ、もののふを切り口にしたらどうですかね。
その一番解りやすいのがシネマが残した偉大な世界遺産です。
奈良が大好きなフランス人は本物を見抜く目もあり、作り物ぽいハリウッドよりもをNIPPONを選ぶのです。
作りモンの都大路がどれほど陳腐なのか解るって物です。
偽モンには厳しいのはディズニーランド・パリでもオトナが飛びつく夢の空間ではなく、日本はオトナのリピーターが多いが、パリではありがたがらないのを見ても頷けます。
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生きてるヒバリ鳴き声を聴かせてあげたい、NIPPONの原風景を見せてあげたいです。
本音は今の人たちに見せたい聞かせたい原風景なのです。
この地では音量重視のLIVEも魅力ですが、
アンプラグドなLIVEも,いいのかなぁと思ったりする。


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