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思えば遠くへ来たもんだ [堂本剛]

12日土曜に十三夜の月をGINZAで撮影し、待っていたのですが残念!
14日月曜の今世紀最大といわれたスーパームーンは雲のむこう、見れませんでした
タイミングは待ってはくれないのです

ginza4827.jpg
12日銀座晴海通り外堀通り交差点上の十三夜の月

「雲間に月」の詩人といえば「中原中也」を思い出す
 
中原中也が主人公の戯曲を舞台でやりたい、
 
「剛君でね」
 
そーいってた脚本家が三谷幸喜さんでした
その時のmemo↓

とんでもない歌を聞かされる「新堂本兄弟」のゲストさんでしたが
早熟な詩人で想像もつかない物語を斬新なキャスティングで熱く語るのです、
身を乗り出すようなことをサラリと言ってらした

剛さんからどんなダダイズムっぷりが引き出されるのか、とね
中也30歳で夭折なことからあのタイミングがリミットすでに「構想」はリストからは外されているのでしょうね
その年代にしか出来ない作品、しかも「舞台」となるとチャンスの女神は前髪しかないのです
 
yurakutyou4834.jpg 

頑是ない歌


中原中也

思へば遠く来たもんだ
十二の冬のあの夕べ
港の空に鳴り響いた
汽笛の湯気〈ゆげ〉は今いづこ

雲の間に月はゐて
それな汽笛を耳にすると
竦然〈(しようぜん)〉として身をすくめ
月はその時空にゐた

それから何年経つたことか

汽笛の湯気を茫然と
眼で追ひかなしくなつてゐた
あの頃の俺はいまいづこ

今では女房子供持ち
思へば遠く来たもんだ
此の先まだまだ何時までか
生きてゆくのであらうけど

生きてゆくのであらうけど
遠く経て来た日や夜〈よる〉の
あんまりこんなにこひしゆては
なんだか自信が持てないよ

さりとて生きてゆく限り

結局我〈(が)〉ン張〈(ば)〉る僕の性質〈さが〉
と思へばなんだか我ながら
いたはしいよなものですよ

考へてみればそれはまあ
結局我ン張るのだとして
昔恋しい時もあり そして
どうにかやつてはゆくのでせう


考へてみれば簡単だ
畢竟〈(ひつきょう)〉意志の問題だ
なんとかやるより仕方もない
やりさへすればよいのだと

思ふけれどもそれもそれ
十二の冬のあの夕べ
港の空に鳴り響いた
汽笛の湯気や今いづこ


12歳で、本気でそうとうにマセてる。
12歳?ん、通じるモンもある

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文芸評論家、親友にして最高の理解者、なぜか中也を多くは語らない

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