沙莉ちゃん元気です。 [ココロ目]
繕い裁つ人
沙莉ちゃん元気です。
観てきた。
想像通りの「軸」のある映画です。
一手間をかけて
お裁縫もします
お母さんのスカーフや指輪をリメイクも
バーちゃんの深緑色の財布を愛用
若い頃のおしゃれな母親のものを身につけていたい
そんな剛さんの語りが聞こえてきます。
丘の上の洋館「南洋裁店」のシーンには必ずチクタクチクタク途切れず時計の針の音が流れます。
極上の洋服を手にいれるためには急な上り坂を息を切らせて登らなければなりません。
先代の残した作品を手直し、繕うことで仕立て屋をする職人気質を、映画では時計の刻む音のように地味で根気の仕事ととしてえがきます。
安くて何処でも買えてソレナリのファストファッションに麻痺した物欲感覚は、
擦り切れても使う日本の美点を捨てさせました。
選り抜きの憧れのファッションを目指させた「銀座」を変えてしまった。
空白の時代にしてしまった責任を感じます。
繕うをキッチリ守り次の世代へ自分の想いを込めて鋏をいれ布を裁つ女主人の心の変化が描かれてました。
そのキーパーソンが永野芽郁ちゃん演じる「マリ」(役名はでてきません)
ティーンに圧倒的に支持されるニコラ誌人気モデルさんです。
イマドキファッションリーダーの彼女の背景を含めて「素」を引き出した監督さんの心眼力さすがです。
オシャレの真髄なんぞ到底理解不能な世代に正統派モノづくりの迫力に開眼する瞬間を演じてます。
主人公市江さんの心も変えさせます。
「この娘たちのために創ろう」
ichieこのサインでデザインされた今を生きるための洋服が産まれる。
う〜〜ん。
やっぱり元気になった沙莉ちゃんに見えてしまうんで困ったヨ。