読み終えたええもんの本 [ココロ目]
「ホームレス中学生」
読み終えた。
著者の田村くんが1979年生まれのため
同年生まれの剛さんさんと並行した展開が頭に飛ぶので困る。
体験を見てないのに映像が鮮明に脳内に浮かぶのです。
本では「解散式」なる一家離散から始まる中学2年13歳は
剛さんと相方くんが故郷を離れ上京し寮生活を始めた年です。
一家離散ほどの悲劇ではないが生活から家族が消えることでは同じです。
まだまだ「子供視線と子供発想」で進行している前半です。
俳優堂本剛も母の死と父親の無気力の中で幼い弟妹を育てる「役」を与えられる。
「若葉のころ」の劇中に食べモノを探して商店のゴミ箱をあさるシーンの幼い後ろ姿が記憶の引き出しから出てきてしまうのだ。
これは結構キツイ。
ドラマには幼い妹の「メロン」が食べたいの一言でプライドを捨て万引きをする悲痛なシーンがあった。
本の中でも食い詰めいよいよお金も食料も無くコンビニの食品棚の前で葛藤するシーンがある。
「お母ちゃん」が悲しむと、思いとどまるが13歳の中学生には母親の死も、公園で寝起きするのもどこか実感のない漠然とした感情なのが伝わる。
環境の激変による心の成長と恩人のとの死別で初めて悲しいと涙が溢れ泣くという当たり前が作動したと書かれてた。
剛さん16歳からのほぼ記憶がないくらい仕事に忙殺されてた頃
著書では「生きてる意味」を見失い喪失と脱力で思考が死に向かう危うい時期を迎えてた。
田村くんを普通に引き戻したのも「人」そして「笑い」
人に教唆されたのではなく自分の意思と気づきで得たようですがそこに着地するのにも大勢の応援者があっての結果でした。
やっぱり寅さんのあの歌の一説が浮かんできた。
ドブに落ちても 根のある奴は
いつか蓮の 花と咲く
読後感を一言で表すなら
兄ちゃんは偉い
男はつらいよ
2番抜粋
意地は張っても 心の中じゃ
泣いているんだ 兄さんは
大学生の小さなお父さん誕生こそ田村家の誇り。
大学生の目線で同じ経験が書かれたこの本を読む為に弟くんの本の出現が2015年だったようです。
早速買わねばです。