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傍受Ⅲ [ココロ目]

THE・SCP
川.jpg

17日BS NHK あっぱれなVACATION放送。
カメラは新緑のトンネルの遠回しで自転車で登場の青年4人、王道のアイドルVです。
エネルギー突き抜ける昂揚感と爽やかな風の瑞々しさは羨ましくもなるってもんです。
このコたち応援したい、なんてね「後輩に行っても戻ってきてね」の兄さんの言葉が駆け抜ける。

そうなんだよね彼らNEWSと並ぶとそのあたり(青さ)が突きつけられても応じる二人の話は円熟の域です。
直についた先輩から学び、先輩へのオマージュとリスペクトがここにきて説得力を持つ。

いづれジュニアでついてた直の先輩はステージから消える。
この現実を皆が通る道程なのを知るわけです。
NEWSのバックで踊ったジュニアの3人と一人の歌好きの少年がKinKiKidsとコラボするのにはまだ時間の余裕はある。
昨年、活動休止を余儀なくされた直についてた後輩のグループとはかろうじて間に合いましたがいつ何が起きるのかわからないのを今回の解散劇で良くわかる。。。
いつかバックについていた特別の先輩とは「競演したい、楽曲を提供したい」は叶わぬ夢となり遠のいていくのです。

持ち歌を歌唱中に駆け寄る二人に照れまくる43歳。

「彼らはすでにアーティストですから」

即答の切り返しでKinKiKidsをジュニアでもデビュー前でもないバックダンサーの時代は終わっている事実で語るのを見て「壁に当たったらSMAPじゃなく相方に相談しろ」と20年も前にアドバイスをした先見性のある兄さんです。
あの日が最後だなんて思いたくはありません。
本日中居正広、44歳の誕生日、いつの日かまったく違う視点で気持ちを聞かせてもらえる日を待ちたいです。
なんだかそんなに遠いことでもなさそうな気がする。
想いって口に出しているとね、現実に向けて動き出すようなのです。

眼に染みる軽井沢ロケのハイビジョン放送の中に編集もされずにこの日のタイミングで放送とはね、

「今の、撮れてました?証拠はもう」あります。

このセリフいただきます。

兄さんへふたりの後輩くんのリクエスト残します。



『道程』
「高村光太郎全集 第十九巻」筑摩書房


どこかに通じている大道(だいどう)を僕は歩いているのじゃない
僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
道は僕のふみしだいて来た足あとだ
だから
道の最端にいつでも僕は立っている
何という曲がりくねり
迷い まよった道だろう
自堕落(じだらく)に消え 滅びかけたあの道
絶望に閉じ込められたあの道
幼い苦悩に もみつぶされたあの道
ふり返ってみると
自分の道は 戦慄(せんりつ)に値する
支離滅裂(しりめつれつ)
また むざんなこの光景を見て
誰がこれを
生命(いのち)の道と信ずるだろう
それだのに
やっぱり これが生命(いのち)に導く道だった
そして僕は ここまで来てしまった
このさんたんたる自分の道を見て
僕は 自然の広大ないつくしみに涙を流すのだ
あのやくざに見えた道の中から
生命(いのち)の意味を はっきりと見せてくれたのは自然だ
僕をひき廻(まわ)しては 目をはじき
もう此処(ここ)と思うところで
さめよ、さめよと叫んだのは自然だ
これこそ厳格な父の愛だ
子供になり切ったありがたさを 僕はしみじみと思った
どんな時にも 自然の手を離さなかった僕は
とうとう自分をつかまえたのだ
丁度そのとき 事態は一変した
にわかに眼前にあるものは 光を放射し
空も地面も 沸く(わく)様に動き出した
そのまに
自然は微笑をのこして 僕の手から
永遠の地平線へ姿をかくした
そしてその気魄(きはく)が 宇宙に充ちみちた
驚いている僕の魂は
いきなり「歩け」という声につらぬかれた
僕は 武者ぶるいをした
僕は 子供の使命を全身に感じた
子供の使命!
僕の肩は重くなった
そして 僕はもう たよる手が無くなった
無意識に たよっていた手が無くなった
ただ この宇宙に充ちている父を信じて
自分の全身をなげうつのだ
僕は はじめ一歩も歩けない事を経験した
かなり長い間
冷たい油の汗を流しながら
一つところに立ちつくして居た
僕は 心を集めて父の胸にふれた
すると
僕の足は ひとりでに動き出した
不思議に僕は ある自憑(じひょう)の境を得た
僕は どう行こうとも思わない
どの道をとろうとも思わない
僕の前には広漠(こうばく)とした 岩疊(がんじょう)
一面の風景がひろがっている
その間に花が咲き 水が流れている
石があり 絶壁(ぜっぺき)がある
それがみないきいきとしている
僕はただ あの不思議な自憑(じひょう)の督促(とくそく)のままに歩いてゆく
しかし 四方は気味の悪いほど静かだ
恐ろしい世界の果てへ 行ってしまうのかと思うときもある
寂しさは つんぼのように苦しいものだ
僕は その時また父にいのる
父はその風景の間に わずかながら勇ましく同じ方へ歩いてゆく人間を 僕に見せてくれる
同属を喜ぶ人間の性に 僕はふるえ立つ
声をあげて祝福を伝える
そして あの永遠の地平線を前にして 胸のすくほど深い呼吸をするのだ
僕の眼が開けるに従って
四方の風景は その部分を明らかに僕に示す
生育のいい草の陰に 小さい人間のうじゃうじゃ はいまわって居るのもみえる
彼等も僕も
大きな人類というものの一部分だ
しかし人類は 無駄なものを棄て(すて)(くさ)らしても惜(お)しまない
人間は 鮭の卵だ
千萬人の中で百人も残れば
人類は永遠に絶えやしない
棄て腐らすのを見越して
自然は人類のため 人間を沢山つくるのだ
腐るものは腐れ
自然に背いたものは みな腐る
僕はいまのところ 彼等にかまっていられない
もっと この風景に養(やしな)われ 育(はぐく)まれて
自分を自分らしく 伸ばさねばならぬ
子供は 父のいつくしみに報いた気を 燃やしているのだ

ああ
人類の道程は遠い
そしてその大道はない
自然の子供等が 全身の力で拓(ひら)いて
行かねばならないのだ
歩け、歩けどんなものが出てきても
乗り越して歩け
この光り輝やく風景の中に
踏み込んでゆけ


僕の前に道はない

僕の後ろに道は出来る

ああ、父よ

僕を一人立ちさせた父よ

僕から目を離さないで守る事をせよ

常に父の気魄を僕に充たせよ

この遠い道程のために


 

(こんな長い詩だとはいまの今まで知らなんだ)


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